ニケ先生の思い出-6

大学のキャンパスを飾った桜は散り、寮の生活にも少し慣れ始めてきた頃、先生からの葉書が届いた。

なつかしい、癖のある独特な文字が並んでいる。

「ニケタンマね、」と言い、勢い良く黒板にチョークを走らせる先生の姿が浮かぶ。

それと同じ字だった。

ー君のひたむきな姿勢は、いつかきっと報われる。

いつしか、その葉書はどこかに無くしてしまった。

しかし、その一文は、ニケ先生の思い出の1ページに今も刻まれている。

 

 

                                おわり