竹槍とチョコレート

 ある年配の方から戦争体験のお話を聞かせていただきました。

その方は、10歳の少年の時に兵庫県のある町で終戦を迎えました。

 

 戦時中には、その町にもアメリカの飛行機がやってきました。

警戒警報が鳴り渡る中、少年は田んぼのあぜ道を走りました。頭上に現れた敵機に石を投げたが届きません。田んぼに伏せていると、近くを機銃掃射が走ったそうです。

 

 戦争が終わって、進駐軍がやって来ました。ジープに乗ったアメリカ兵を少年たちは竹槍を持って迎えました。しかし彼らは笑顔で手招きし、チョコレートを手渡しました。毒が入っているんじゃないかと警戒しつつも、口に入れてみてビックリしたそうです。世の中にこれほど美味いものがあったのかと。その包み紙を取っておいて、何日も布団の中で舐めていたそうです。

 

 その方が最後に言われました。

「戦争は絶対にしたらアカンで。」

とても重みのある言葉でした。

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