ニケ先生の思い出-3

先生は大変な読書家で、事あるごとに本を読む事の大切さを教えて下さいました。

授業を始める前に、「読んで欲しい」本とその著者を黒板に書き、

「この本はねぇ、」

と、その本についての感想などを聞かせて下さいました。

高校生に向けてという事か、北杜夫の著書が特に多かったように思います。

「読んでみたなあ、」と思わせるような話しぶりで、忘れないように毎回ノートに書名をメモしたものです。

ある時こんな事を言われました。

「やがて君たちが働くようになったら、給料の中から一万円を本を買うために使いなさい。」